夏目漱石を読んでいる。
ここ数日で、
『三四郎』と『それから』を読んだ。
『三四郎』はまだいいんだけれど、
『それから』が結構きつかった。
途中までは、殆ど何も起こらずに進むのだけれど、
後半から、すごい勢いで展開していく。
『こころ』も、『行人』も、
後半のスパートが凄かった事を思い出した。
この時代は、当然の事ながら、メールが無い。
だから、ちょっとした連絡をしたい時は、書生等を使いに出すんだなぁと思った。
『それから』の主人公、代助は年齢が三十で、
現代の年齢に換算すると(いささか乱暴だけれど)四拾八という事になる。
所々、江戸時代の話や、日露戦争の話などが出てきて面白かった。
それにしても、結末が凄い。
前半と後半で物語のテンポが急変してしまう感じは、
『こころ』や『行人』以上のものがあるように思った。
そういう意味では、『三四郎』は比較的穏やかな展開だった。
自分は、『三四郎』の方が物語として良いような気がした。
切迫感が無いし、読後感が良い。
主人公の三四郎が受け身なだけに、展開がとても緩やかだった。
『三四郎』『それから』『門』は三部作と言われているけれど、
主人公も、物語も、直接的には関係無いらしい。
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7月になって、だんだん暑くなってきた。
暑い日に、悲劇的なものを読むのは、ちょっと考えものだなぁと思った。
成功欲求だったり、何だったりが、
自分の中に渦巻いているのが分かるのだけれど、
できるだけ、それと距離を取って、
やっていきたいと思った。