老いを養うとは
夏目漱石の文庫本を買う時に
一緒に買った本があります。
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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高齢者向けに書かれた言葉が心身に響きます。
自分、まだ三十なんですけど。
三十の、世間的にはバリバリな人間がこういう本を読んで
ほっとするって言うのは、何かが間違ってる気がします。
著者の養老さん(もう名前からして凄い癒し)が、
「最近機嫌の悪い笑わないじいさんがいる」
と言って、そういう人に向けて書かれた本らしいです。
特に響いたのがこの部分
こういニュースがあったとかいうと、「そんなの昔あったよ」とか、やたらとしたり顔をする。せっかく箱根で良い景色を見ても、「箱根も俗になったねえ」みたいなことを言うのです。
あー!
いやだ、いやすぎる。
面倒くさすぎる。
これでは誰も相手にしたくなくなります。
知識を得ていって、世の中がどんどんバカばっかりに見えてきて、
見下す感じ。
いやな人間の典型だと思うのですが、
これ、自分じゃなかろうか。
と思ったのでした。
多分、ここで挙げているようなじいさんも、そんなに悪気があって、
あるいは嫌われる事を自覚して言っている訳ではないのだと思います。
感じる事を、そのままに表現しているのだと思います。
・昔は良かった。
・そんなの知ってる。
でも、これは危険な兆候なのだな、と実感。
その方面の行く先には、そういうじいさんになった自分が。(というか既になってる?)
難しい。
思ったのですが、
不機嫌なじいさんは、やっぱり頭がいいのだと思います。
頭がいいというか、知識があったというか、
それなりに真面目で、生涯現役をモットーとするバリバリじいさん。
はー。
疲れます。
やれやれ。
とりあえず、
今度箱根に行った時には、
「箱根も俗になったねえ」とつぶやこうと思います。