朝起きると。喫茶店
おじさんは、その返事を確かめると、インコの入った小箱を受け取った。
「じゃあ、ちょっと準備してくるからね。」
そう私たちに言い残して、建物の裏に入って行った。
暫く、私と同居人は、無言のまま待っていた。
おじさんが、中から出てきた。
手には茶色い数珠、しかし服装は上下ジャージ。
私は、小さな声で「さよなら、ピー助」と別れの言葉を言った。
おじさんは、その私の言葉を聴いていたのだろう。
「それでは、只今より田中ピー助の葬儀を執り行わさせて頂きます。」
おぅふ。
違う。田中ピー助じゃない。ピース助なんだけど…。
でも、もう仕方が無い。おじさんは完全に真面目モードに入り、お経をあげ始めた。
上下黒のジャージのおじさんが、真面目にお経をあげている。
その光景に違和感を覚えつつも、
私と同居人も一緒に手を合わせた。
5分ほど経っただろうか。
おじさんは、お経をあげ終え、私たちに向かってこう言った。
「そんなら、これから火葬するから、その間、喫茶店にでも行ってきたらどうや?山を下りた所にあるから。大体40分くらいかな。みんなはそこで待ってるみたいやで。」
私と同居人は、おじさんの言う喫茶店へ向かう事にした。
続く。