太鼓と棒振り。
昔住んでいた所では、2年に1度町内のお祭りがあった。
小さい山みたいなやつに太鼓が付いていて、それを引きながら、
お囃子をしながら校区を練り歩く感じだった。
太鼓は保育所や幼稚園の園児から50歳60歳の大人までが叩く。
子供は男も女もだけど、大人は男のみ。
だいたい練習は祭りの2か月くらい前から公民館でやった。
2年に一度だから皆相当に気合が入っていた。
高学年になると、
「棒振り」というのが加わる。
これは、背丈より少し長いくらいの棒を持って、
三人で舞う。
他の校区でも同じタイプの舞があって、それを競っているような感じもあった。
この舞が、祭りの花形みたいな感じで、それを誰がやる事になるのか、
で揉めた事があった。
自分がそれをする代になった時、それを舞えそうな年頃の子供は四人いた。
舞の特性からか、三人の内両サイドを背丈の高い子供が担当して、
真ん中を、少し背丈の低い子供が担当することになった。
自分は背丈が低かったので、もう一人の同じような背格好の人とどちらが舞うのか。
それが問題になったのだった。
運動神経だとか、適正テストだとかがある訳でもなく、
二人の内、どちらが舞うかの判断は、地区の大人に一存された。
祭りの花形で、今回を逃すと次は二年後。
自分も、もう一人の人も、すごくそれがやりたかったし、
でも、面等向かって大人に言えるものでもなく、
親に「やりたい」というので精いっぱいだった。
結局、自分がやる事になったのだけど、
もう一人の人は辛かっただろうなぁという事を思い出した。
五月の祭りだったんだけど、
今年はやったんだろうか。