昨日の出来事。
配達からの帰り道、
夜の国道をライトを点けて走る。
山間を通るバイパスに差し掛かる。
バックミラーに小さく赤色灯が見える。
距離にして200メートルかそれ以上は離れている。
パトカーらしい。
サイレンは聴こえない。
車はバイパスに入り、スピードメーターの針は65から70を指していた。
時刻は19時前。
帰宅する車が多い。
片側一車線。
車間が狭まり、若干込んできたようだ。
トンネルに差し掛かる。
対向車が途切れた。
後方からサイレンが聴こえる。
パトカーじゃない。
救急車だった。
バイパス。
交差点が無いから、速度は上げようと思えば、上げられる。
車は一列に並んでスムーズに流れていた。
車列はトンネル内に入った。
赤色灯がサイドミラーに映る。
追い越す気らしい。
でも、速度は既に70は出ていた。
余程急いでいるのか。
トンネル内での追い越し。
対向に車のライトが見える。
ライトの明かりが次第に強く鮮明になってきた。
危ない。
救急車と対向車が真向いに、
猛スピードで接近していた。
どうなるのだろう。
前方の車が、
左に指示器を出し、スピードを落とし、車を左に寄せた。
自分もそれに習った。
対向車も、
徐々にスピードを落としたようだ。
ブレーキを踏んで、時速0キロ。
トンネル内に、S字の道が出来た。
救急車は、そのS字を縫って走り、トンネルを抜けた。
それを確認して、
何事もなかったかのように、
自分たちの車も流れだし、
トンネルを抜けた。