ヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』『荒野のおおかみ』
ヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』と『荒野のおおかみ』を読みました。
世間でいう「小説」を読み始めてまだ一年たっていないのですが、
やっぱり作家ごとに色というか質が異なるな、と思いました。
ヘッセの小説もまだ二冊しか読めていません。
こういうことを言うと、ヘッセに詳しい方から叩かれるかもしれませんが、
二冊とも、同じ味がする気がします。
まず初めに、道を求める者がおり、そこからの話の展開、
出くわす人々とそのキャラクター・象徴。
主人公の苦悩、道のり。
そして、物語の後半からラストで加速していく疾走感を伴った主人公の目覚め。
後半からラスト、と言っても、
疾走感を感じるのは、ほとんどラストで、
その部分に入ってしまったら、もう一気に読み進めるしかない、という
エネルギーが、文章から、そして、行間から
ほとばしっているのを感じました。
色々な色、空気、感情が渦巻いて、
とてもきれいな印象でした。
それまでのすべての流れが、一気に集約されて、
激しい水流が、押しとどめることの出来ない流れに。
その流れに流されていく感じでした。
でも、その流れが、水が、
とてもきれいなので、読んでいてとても気持ちが良かったです。
読んでいる最中は、
何かとても大切なことが
頭の中を、全身を
駆け巡るのですが、
読み終えてしまうと、それが何だったのか分からなくなっています。
でも、その流れは、自分の周りに残ってるのかもしれません。
疾走感は、いまもまだ思い出されます。
ヘッセの伝えたい(と思われる)ことが
結構ストレートに出ているので、
そういうメッセージを受け取る余裕が無いと、
読み進めるのは時間がかかるかもしれません。
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